合格体験記2018

鈴木阿弥

鈴木 阿弥【高崎経大附属高校】

  • 東京藝術大学工芸科 合格【現役】

高校2年、大手の講習会で浪人生に圧倒され、何とかその実力の差を埋めようとがむしゃらになっていた私は、受験というひとつの目標にとらわれかけていました。高3になって、そんな状況に違和感を感じ、そこで私は美術をやってきてはじめて立ち止まり、考えることをしました。

自分は何が好きで何がやりたくて大学を目指すのか。そんな一見わかりきっていそうな、わかっているつもりで気にも止めなかった問いに、私はものすごく頭を悩ませました。考えれば考えるほどわからなくて、一晩中考えていた日もありました。そんな日々の中で、沢山のことに気付き、受験に対する考え方も徐々に変わってゆきました。

入試課題をやっているとどうしても「こうでなくてはいけない」という固定観念に縛られてしまうことがあります。ですが、入試課題といえどひとつの作品をつくるということに変わりはなくて、当たり前のことですが、作る人の数だけ作品があり、見ている人の数だけ評価があるのです。難しいですが、人に何かを伝えるのに正解はないということを常に頭の片隅に置いておくと良いと思います。

随分たくさんつまずいて、その度に悩んだけれど、私はもう一度受験生をやりたいくらいに課題と向き合っていた毎日が楽しくてしかたありませんでした。きっとそれは高美だったからじゃないかな。私はここでたくさんの大事なことを学びました。高美だけでなく、私を構成する全ての人、物、事には言葉で言い尽くせないくらい感謝しています。たくさんの支えや影響の中に居られたことが何よりも幸せです。

そしてこれから受験を向かえる皆さんに忘れないで欲しいのは、美術が楽しいという気持ちです。受験に限らず自分の楽しい、やりたいと感じたものを大切にするのが何よりも重要なことです。そしてそれを見ている人に如何にして伝えるか。その下地を学ぶのが受験勉強です。焦る必要はありません。あくまでも自分のペースで、ゆっくり見つけていって下さい。

鈴木阿弥

鈴木 阿弥【高崎経大附属高校】

  • 京都市立芸術大学工芸科 合格【現役】

京都市立芸大を受験することを意識し始めたのは、2年生の三者面談からでした。そのときは大学への認識自体とても漠然としていて、本当に受験するのかあまり実感も湧いていませんでした。初めは学科で高得点を取れると受かりやすいという理由だけで志望していましたが、実技の試験で全ての科が共通の問題を実施するということを知って受験することを確定させました。どの科を選択したいのかずっと悩んでいた私にとっては、出願まで決定する猶予が伸びたのは有り難かったです。

受験対策に関しては、センター試験はともかく実技試験が中々特殊なのでそれなりに苦労しました。特に立体構成に関して言うと、例年ケント紙やスチレンボード、段ボールなどの素材が出題され、それを踏まえて紙立体を重点的に練習しましたが、本番配られたのは紙は紙でも紙粘土でした。案の定デッサンと色彩と立体の三課題の中で一番点数は低かったです。色彩にも言えることですが、出題問題は毎年多種多様なのでピンポイントでの対策は難しかったです。さらに試験の採点方法は、合格した周りの人の話や自分の点数を鑑みるとかなり両極端で、中間点が取りにくいようでした。私自身デッサンと立体は250点中100点にも満たない結果でしたが、色彩で満点近くまで取れたおかげでなんとかなりました。段階的な試験ではなく、学科と三課題の点数を合わせる合算方式だったことにも結果的には助けられました。

高良彩花【

高良 彩花【高崎女子高校】

  • 武蔵野美術大学油絵学科油絵専攻 合格【現役】
  • 武蔵野美術大学油絵学科版画専攻 合格【現役】
  • 多摩美術大学絵画学科油画専攻 合格【現役】

私は普通科の高校に通っておりましたので、実技勉強は予備校でのみしておりました。高2の9月から基礎科に入って週1で通い、高3からは油絵科に週6で通っていました。

長期講習にもなるべく毎回出ておりました。

今振り返ってみると、合格に繋がった要因としては、受験勉強という意識に集中できたこと、学校の勉強のおかげで学科が安定していたこと、環境が良かったこと、この三つが大きかったなと思います。

まず一つ目、勉強と違って、絵は追い上げが効かない、積み重ねが必要だと思っていたので、今更焦らないようにとメンタルの維持を心がけていました。おかげで試験前や当日はコンディションも良く、とても集中できました。

二つ目、私の合格には学科の成績が大分貢献していたと思います。実技勉強を始めるのも遅く、実力自体にも自信が無かったので、学科の成績に力を入れていたところがあります。センターより一般の方が成績を取りやすいだろうと判断して、私立形式の問題を重視して勉強しました。学校の授業で配られるプリントや自習時間、自宅にいる間を利用して勉強しました。実際センター不合格、一般合格でしたので、学科の貢献は大きいと思います。

三つ目、高美が伸び伸び絵を描ける環境にあったことが理由です。アットホームな場所でしたので、自分のペースで実技勉強ができたと思います。予備校生同士仲も良かったので、息苦しさ、というものもあまり無かった気がします。先生方も親しみやすく、お話しやすかったです。

高美で過ごした1年半はとても有意義でした。あれだけスタートの遅れた私が合格できたのも、先生方や色んな方のおかげでした。

濵田優

濵田 優【東京農大第二高校】

  • 武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科 合格
  • 東京造形大学デザイン学科GD専攻 合格

「永遠の命があるように夢を持って、今日死ぬように生きるんだ。」これは、僕の好きなレブロン・ジェームズというNBA選手の言葉です。先に言っておくと、この言葉はこれからあなたが読もうとしている合格体験記とは全く関係はありません。

僕が美術を始めたのは高校卒業してからでした。なぜ一年で美大に合格できたのか。これは僕にもわかりません。何か特別事をしたわけではありませんが、今思えばこの一年、すること全てを楽しんでいました。デッサンも立体も平面もはじめてのことだらけで毎日飽きませんでした。春キャンプには片道50km、標高1200mの道のりを自転車で行ったし、球技大会では幼稚園児のコスプレをして参加しました。本当に楽しい一年でした。ただ、後悔があるとすれば幼稚園児のコスプレをした時、すね毛を剃り忘れたことです。デッサンでの細部の仕事の適当さがここで出てしまいました。そして、一年終わっての反省点は、後輩から不本意なあだ名を付けられたことです。これは普段の行いが悪かったせいです。すいませんでした。

ここまで読んでくれた方はきっと「なんでこいつが合格できたんだ。」と感じたと思います。読み直した僕も思いました。ですが、それでいいのです。「こんな奴が受かったのなら自分も。」と自信を持って頑張って下さい。応援してます。読んでくれた方、高美の先生方、シェイシェイ。

龍見沙弥

龍見 沙弥【新島学園高校】

  • 武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科 合格
  • 多摩美術大学グラフィックデザイン学科 合格
  • 多摩美術大学情報デザイン学科情報デザインコース 合格
  • 東京造形大学デザイン学科GD専攻 合格
  • 女子美術大デザイン・工芸学科VD専攻 合格

私は、現役時代に平面15点で落ちましたが、今年はデッサン127点、平面が135点で、試験が終わった後に落ちたことを確信し、爺ちゃんの墓に手を合わせに行ったのはなんだったのか、というほどの高得点でした。びっくり!さてと、なんで高得点を取れたのか自分なりに考えました。で、浪人時代にやっていた事がよかったのかな、と思うので一応書いておきます。(参考にはならないかも)

まず、自分の作品に自信を持つこと。(これ大事!)自信なくすと描けなくなるから。で、そこから何が足りないのかをよーーく考える。あと、先生の言ってることがどうしても気に食わなかったら自分の考えを通す。先生が全部合っているとは限らない。けれど、先生の考えが合っているなと思ったら、素直に受け入れること。結構難しいけどね、

けれど、一番やってよかったなーと思うのは、どうしても出来ない、やりたくない課題があったら、素直に逃げること。出来ないのに長時間悩んでても仕方がないから、図書館に行って、有名なデザイナーさんの本を片っ端から読む!!!!

さてさて、私はこんな感じで第一志望のタマグラに入ったわけですが、大学は受験よりも大変で楽しいところです。入ったら絶っっっ対に後悔はしないので、美大を目指す受験生は悩み、病みながらも頑張って欲しいなって思います。

吉田明音

吉田 明音【高崎経大附属高校】

  • 武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科 合格
  • 多摩美術大学グラフィックデザイン学科 合格

私は高校受験期から継続して高三まで高美に通わせていただきました。受験時にはどこにも受からなかったらどうしようと思っていましたが、武蔵野美術大学と多摩美術大学に合格することができました。私は芸大のデザインコースにいたのですが、色彩構成も立体構成もあまりできる方ではありませんでした。友人や家族にもデザイン科より、他の科の方が向いているのではないかと心配されていましたが、対策をしていくうちに、だんだん作品の評価も良くなっていき、なんとか高三の頃には少し自信がつくようになっていました。受験を通して一番実感したのは、向いてないこともやっていればある程度はできるようになるということでした。

美術系の高校や、高美へ通わせていただき、同級生にはとても上手い友達がいるというたいへん恵まれた環境での三年間を過ごしました。環境や時間による成果がとても大きかったなと感じます。

ストレスやプレッシャーを感じることもありましたが、あまり考えないように努めて、絵を描くのが楽しい!ということだけ考えていようと思っていました。入試試験時には、泊まりがけで何日も試験を受けて、移動のために電車に乗ってと、忙しい生活でしたが、今思うと人生のなかでもとても楽しくて刺激的な毎日だったなと感じています。

▲Page Top